1. ファンダメンタルズ分析:なぜ急激に買われたのか?(経済とルールの変化)
2026年7月19日頃から仮想通貨(暗号資産)が一気に値上がりした背景には、「世の中のお金の流れ(マクロ経済)」と「法規制のルール作り」において、投資家が安心できる好材料が重なったことがあります。
米国の利下げ期待(お金を借りやすくする動き): アメリカの雇用者数や物価上昇率(CPI)のデータが予想より落ち着いた数字となり、「これ以上金利が引き上げられて景気が冷え込む心配は少ない」との安心感が広がりました。さらに米財務省が国債の買い戻し枠を広げたことで、市場全体にお金が巡りやすくなり、米ドルの価値が下がって仮想通貨などのリスク資産にお金が向かいやすくなりました。
業界のルール(法規制)が明確になったこと: 米国の証券取引委員会(SEC)が、仮想通貨プロジェクトの資金調達や分散型ネットワークに関する新しい明確なルール案(Regulation Crypto Assets)を発表しました。これにより「急に取り締まられるかもしれない」という不安が薄れ、大口投資家が参加しやすい土台が整いました。
ETF(投資信託)を通じた資金の戻り: 6月には多額の資金が流出していましたが、7月に入るとビットコイン現物ETFに約1.73億ドル、イーサリアム現物ETFに約3.47億ドルの新しい買い資金が戻ってきました。世界的な株安(半導体株の下落や中東情勢による原油高)が進むなかでも、仮想通貨は独自の値動きを見せて資金を引きつけました。
2. テクニカル分析:チャートの形と「買い戻しの連鎖」
価格のチャート(値動きのグラフ)や取引の仕組みから見ると、ビットコインは「底を打ったサイン」と「下落に賭けていた人たちの強制買い戻し」によって爆発的な急騰を起こしました。
ビットコインは7月上旬につけた安値(約5万7,742ドル)から、日足チャートで「逆三尊(ぎゃくさんぞん)」と呼ばれる、下落トレンドが上昇トレンドへ切り替わる際に見られる代表的な底値パターンを作っていました。
当時、価格が一定の幅で停滞していたため、多くのトレーダーが「さらに下がるだろう」と予想して「売り(ショート)」のポジションを大量に持っていました。しかし、7月19日以降に節目となる価格(6万6,600ドルの節目や200日移動平均線)を一気に上抜けました。
これにより、下落を見込んでいた投資家たちが損失を防ぐために一斉に買い戻しを強いられる「ショートスクイズ(踏み上げ)」が発生しました。わずか1時間で約13億〜14.4億ドル、市場全体で27億ドル規模の売りポジションが強制清算(強制的な買い戻し)され、これがさらなる買いを呼んで価格は一時7万9,200ドル台まで跳ね上がりました。
3. 特に急騰した仮想通貨とセクター
ビットコインの上昇に伴い、独自のアップデートや好材料があったアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)は、ビットコインを上回る大幅な上昇を記録しました。
4. この急騰は続くのか?(今後の見通し)
今回の急上昇がこのまま長期的な大相場へとつながるかについては、「一時的な強い反発(リリーフラリー)であり、まだ慎重に見極める必要がある」と考えています。
【期待できる点(プラス要因)】
アメリカで仮想通貨に関するルール整備が進み、一般企業や投資信託が買いやすくなったこと。
ETFを通じた現物の買いが再び入り始めていること。
【警戒すべき点(リスク要因)】
今回の急騰の直接的な原動力が「売り手の買い戻し(ショートスクイズ)」だったため、買い戻しが一巡した後に「新規で買いたい」という純粋な需要が続くか未知数であること。
中東情勢(ホルムズ海峡危機)に伴う原油高が続くと再びインフレ懸念が生じ、米国の利下げ期待が後退する恐れがあること。
2025年10月の史上最高値(約12万6,173ドル)からは依然として大幅な下落局面にあり、マイニング(採掘)業者の採算悪化(難易度約15%低下)など構造的な課題が残っていること。
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